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振り飛車党サラリーマンの将棋系雑記ブログ

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『四間飛車の急所 1』を語る

今日は私が今まで読んだ本の中で一番買って良かったと思う本四間飛車の急所 1』を紹介したいと思います。

新しい将棋の戦法を習得するために定跡を一から勉強するということはとても大変なことです。
私は将棋を覚え以降ずっと振り飛車党でした。四間飛車を主力戦法にし、居飛穴相手に日々消耗していた私は、ある日矢倉に興味を持ち、『東大将棋 矢倉道場 1巻』を購入しました。矢倉道場一巻は4六銀・3七桂戦法という当時の矢倉の最先端の定跡手順が丁寧に解説してあります。その難解な手順は振り飛車脳の私には理解が難しく、ほぼ手順の丸暗記になっていました笑。

そうしているうちに、矢倉の勉強を続けていた私の中に徐々にある感情が生まれました。
『この難解な定跡手順は何十年という矢倉の歴史から考えると、いわば巨大なピラミッドのほんのさきっぽの部分なんだろう。その歴史の変遷を知らずに最新の定跡だけ勉強してほんとに実戦で役に立つのだろうか。ていうか勉強してて全然たのしくねえよ。』
そんなテンションに陥った私は矢倉会得を2週間足らずで投げ出しました。

四間飛車の急所 1』みたいな本をがもっとあったらいいな

最新の定跡手順しか知らず、町道場のおじいちゃんに古い定跡を指されてよくわからないまま負けた経験は誰でも経験があると思います(特に横歩取りに多い)。
何十年も続く定跡の変遷を広く浅く解説した定跡本がもっとあってもいいのではないでしょうか。私が知る中では藤井猛先生の『四間飛車の急所 1』だけです。

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四間飛車の急所はもともと『四間飛車の20年』といタイトルで発売される予定でした。この本は最新の手順だけではなく、大山・升田・山田 道美らの時代の将棋までさかのぼり四間飛車の定跡の進化を解説しています(もはや20年どころの話ではないですね笑 おそらくこれがタイトルを変更した理由でしょう)。

この本の目次を引用させて頂きます。


第1章 基本図をめぐるダイナミズム──5七銀左戦法の急所

第2章 四間飛車は《矢倉化》するか──居飛車穴熊の急所
第3章 単独では生き残れない──右4六銀戦法の急所
第4章 なぜ主流の座を譲ったのか──5筋位取りの急所
第5章 この局面をどう見るか──玉頭位取りの急所
第6章 手順を尽くすということ──左美濃の急所
第7章 最新最強の布陣──棒銀の急所
第8章 基本形のセンス──右四間飛車の急所
第9章 新世紀のシステム対策──ミレニアムの急所
                                                                                             

ご覧の通りほぼすべての四間飛車の対策に対応してあります。そのすべての戦形についえ初期から最新の変化まで網羅してあるのです。この内容の濃さを一冊に凝縮できることがすごい笑。

しかも各章の副題がめちゃくちゃかっこいいのです。当時感想戦で調子こいて「この局面をどう見るかですね」とか言っちゃってた振り飛車党は私だけではないはず。ちなみ目次だけ見ると副題の意味がわかりませんが本文を読むと理解できます。もちろん意味もなくかっこいいだけではありません。

これから四間飛車を覚えようと考えているひとはまずこの四間飛車の急所 1』を購入することをお勧めします。時代ごとの定跡手順の変遷を踏まえたこの本は四間飛車の定跡を最も自然な形で身につけることができると思います。この本を読んでもっと細かい手順まで知識を増やしたいと思えば、その戦形ごとの定跡本(5七銀左戦法のみ等)を購入すればよいでしょう。

まるで一冊の歴史小説を読んでるような気持ちになれる本、四間飛車の急所 1』は間違いなくナンバーワンの定跡書だと思います。