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振り飛車党サラリーマンの将棋系雑記ブログ

相振り飛車の攻め筋集 実戦編

こんにちは、仕事中もこっそりスマホ棋譜中継を見るダメリーマンことぐるーまんです。

前回、相振りビギナーのための相振り飛車の攻め筋を紹介しました。

これだけ覚えりゃ何とかなる! 相振り飛車の攻め筋集 - できれば遊んで暮らしたい

前回紹介したとおり、振り飛車において最も効果的な攻めは下図の角打ち(棒銀+筋違い角)です。

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今回は、プロの実戦に現れたこの角打ちをめぐる攻防を紹介します。

紹介する棋譜は、第6回朝日杯 畠山成幸七段-井上輝彦アマ戦です。

2012年8月15日 一次予選 畠山成幸七段 対 井上輝彦アマ|第6回朝日杯将棋オープン戦

初手より
▲7六歩 △3四歩 ▲6八飛 △3五歩 ▲2二角成 △同 銀 ▲8八銀 △4二飛 (下図)

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先手の井上アマは角交換四間を得意とする有名なアマ強豪。△3五歩に対していきなり一手損の角交換を挑むあたり、深い研究が感じられます。△3五歩を緩手にさせるイメージが出来上がっているのでしょう。

ちなみに▲8八銀のときに▲5八金や▲4八玉と指すと、△3二飛とする選択肢が生まれます。(下図)

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上図では▲6五角が気になりますが、以下 △5二玉 ▲8三角成 △3六歩 ▲2八銀 △3七歩成 ▲同 銀 △3六歩▲2八銀 △5五角 と進んで後手がよくなります。(下図)

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いったん△5二玉と受けて、▲3六歩と突けば後手の香得以上が確定します。この筋を知らずに△4二飛と途中下車してから三間飛車にするのはもったいないです。

本譜に戻ります。△4二飛以下
▲7七銀 △6二玉 ▲4八玉 △7二玉 ▲8六歩 △3三銀 ▲5八金左 △2四歩
▲8五歩 △2二飛 ▲8八飛 △8二銀 ▲2八銀 △2五歩 ▲8四歩 △同 歩
▲同 飛 △8三歩 ▲8六飛 △2六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲2七歩 △2四飛
▲3八玉 △6二金 ▲6六銀 △5二金上 ▲7五銀 △7四歩  (下図)

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両者向かい飛車に振りなおし、金無双に囲います。この将棋はもともと相四間飛車ですが、現代の相振り飛車では基本的に6筋(4筋)の歩を伸ばす手は間に合いません本譜のように素早く左銀を繰り出す手が本筋になります。

上図の一手前の▲7五銀は例の▲5六角打ち(棒銀+筋違い角)をにらんだ一手。 (下図)

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この角打ちを許すと基本的に次の8四歩に対する受けはありません(△9二角打ちは論外)。
よって後手の△7四歩は絶対の受けになります。本譜を進めてみましょう。

△7四歩以下
▲6六銀 △3四銀 ▲7五歩 △2五銀 ▲5五角 △5四角 (下図)

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井上アマは△7四歩を突かせることにより7筋に争点を作る狙いだったのでしょう。しかし今度は後手の畠山八段が棒銀+筋違い角を狙います。▲5五角の香取りに構わず△5四角!の強手が出ます。

上図以下
▲4八玉!

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何度も言いますが△5四角(▲5六角)打ちに受けはありません(何回目だろう・・)。
井上アマは香車を拾う余裕もなく玉の早逃げを余儀なくされました。
ここから形勢は後手に傾きます。

上図以下
△2六歩 ▲同 歩 △同 銀▲8四歩 △同 歩 ▲8三歩 △同 銀 ▲9一角成 △2七銀成 ▲5五銀 △2八成銀▲5四銀 △8二銀  (下図)

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後手は着実に先手陣を突破してきます。先手も香車を取ることができましたが、せっかくできた馬が△8二銀と殺されてしまいました。こうなると確実な攻めが残っている後手がわかりやすい展開です。
上図以下
▲同 馬 △同 玉 ▲4六角 △6四角 ▲6三銀成 △同金左▲6六香 △4六角
▲6三香成 △同 金 ▲4六飛 △2九成銀 ▲4三飛成 △2八飛成▲3八金打
△3六桂 ▲5九玉 △4八歩 (下図)

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後手は▲3八金の龍取りに構わず攻めをつなげます。上図で龍を取っても、△4九歩成▲6八玉△8七銀のような左右挟撃の攻めですぐに寄ってしまいます。対して先手にはそれ以上早い攻めがありません。以下終局まで記します。
上図以下
▲5二龍 △6二歩 ▲4八金左 △同桂成▲同 玉 △1九龍 ▲5五角 △7三香
▲7四歩 △2八成銀 ▲7三歩成 △同 桂▲3九香 △3八成銀 ▲同 香 △6八金
▲3九銀 △2八銀 ▲5六歩 △6七金  ▲7三角成 △同 玉 まで先手の勝ち(下図)

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両者のスピード感のある攻めがとても参考になる棋譜であり、振り飛車における5六角(5四角)の威力がわかっていただけたと思います。より詳しい解説を見たい方は、以下のリンクから朝日杯の中継ページへどうぞ!!

2012年8月15日 一次予選 畠山成幸七段 対 井上輝彦アマ|第6回朝日杯将棋オープン戦